死にたいなんて、言うたらアカン

2003年11月16日

明日は、カツの喉の検査。
食べる訓練が始められるかどうかの大事な日。
だから、今日サリーはいっぱいお仕事してきたよ。
カツが寝た後も、また会社にもどってん。
家についたら、1:30や。ハード!

カツは自分の身体が、いったいどこまで治るのか
もしかしたら、一生このままなのかと、ずっと不安になっとる。
今日だって、6時ぐらいになるって言ってたのに5時すぎに行ったら涙ぐんでた。
そりゃあ、そうやね。カツ意外の患者さんは、口も利けない寝たきりの老人ばっかり。
自分もこのままああなるのかと、不安で不安で仕方ない。
動かない体、進まないリハビリ。
でめな、あせってもしゃーないやんで。ひとつひとつやらんと。

1日1個でいいねん。少しずつで良いねん。

「サリーに申し訳なくて仕方ない」というカツ。
そのくせサリーの顔を見ると、あれして、これしてって山ほど仕事をさせるカツ。
あんな、それってものすごく矛盾してるんやけどなあ。
知っとる?

サリーは、ほんまにカツの事が好きやねん。
いなくなって初めてどれだけ自分がカツの事必要としていたか、思いしらされてるねん。
きっとカツもおなじやろうと思うけどね。

もし、こんな俺が嫌になったら、いつでも実家に帰って、見合いでも何でもして新しい人生をはじめろと言う。
自分には財産がほとんどないけれど、今も持ってるギターを全部売ってお前に持たせてやるから、と言う。

「サリーの幸せを見届けたら、カツは死ぬねん」

あんな、そんな悲しい事、言うたらあかんよ。
ふたりの生活は、まだ、はじまったばっかりやんか。
サリーはカツじゃないとあかんねん。
カツほどサリーの事わかっとる人間は他にはおらんねん。
そういう肝心なこと、忘れたらあかんよ。

それにな、一生ねたきりって決まった訳じゃないねん。
まだまだリハビリはこれからやねん。

今でもカツは頭の中は超クリア。ものスゴックまとも。
充分、サリーの相談相手になる。
だからサリーはもし、カツが今のままでも、一生別れんよ。
(カツが、浮気したら、また話は別やけどね)

サリーは、毎日、カツのことばっかり考えとる。
カツが良くなるためやったら何でもするよ。ほんまに。
移植して治るんやったら、サリーの耳、あげる。
手も足もあげる。
カツが、昔のカツにもどれるんやったら、全然惜しくないよ。
だってな、サリーはカツが大好きやねん。カツのロングトールサリーは最高やねん。
あれが、また聞けるんやったら、サリーの身体あげても後悔しないねん。
カツやったら絶対、わかるはずや。今のサリーの気持ち。
サリーのこと、世界中で誰よりも理解してくれてるんやもん。
そやからね、死にたいなんて、言うたらあかんよ。


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