リハビリについて思う事


2004年1月8日

明日はいよいよVFです。「ふつうの呼吸、普通の食事」
この2ヶ月間、ずっと願い続けてきた事です。
鼻からの管による栄養と水分補給は鼻炎のカツにとって拷問にも等しい苦しみです。前に病院では「何度も窒息死しそうになる」と言っていました。
上半身を60度まで上げ、バイトブロックか、エアウェイをくわえ、それでも窒息死の恐怖で眠れず、精神安定剤を入れてもらって、ようやく仮眠できるような状態が続いていました。
何もかも、この「鼻の管のせい、こいつさえなければ!」と思っています。

事実、今の様に、1日に何時間かでもも管を抜いている時間ができると、息もしやすい、話もしやすい、ごっくんもうんとしやすいそうです。
その分、入れられた時の異物感は増加し、直後は鼻水がひどいです。何度も咳払いをしたくなるそうです。

栄養や水分が必要な事は、私もカツも充分理解しています。
ただ、これ以上の不自然な状態は、できれば勘弁していただきたいというのが正直なところです。
今日、出していただいた「テルミールババロア」は、「今まで病院で出たデザートの中で一番うまい。これなら毎日でも平気」と言っていました。
それに、カツの身体を見てください!まだまだダイエットが必要なくらい、充分脂肪のたくわえもありますよ。
(注/テルミールというのは、鼻から入れていた栄養剤の商品名。当時は食べる練習の為、それをババロア状にしてもらったりしていた。)

どうか、すべての栄養と水分を口からの摂取に切り替えてください。
NO MORE経管!です。
(注/鼻から栄養を取る事を「経管栄養」と言います。)

○主人について

すべてのミュージシャンがそうであるとは思いませんが、みんな往々にして自己顕示欲が強い。
カツもかなり見栄っ張りです。社会適合性が低い。
会社員にはなれないタイプです。だからルールも嫌い。
拘束されるのが嫌い。
せっかちで結果が目に見えない事に耐えられない。
(リハビリには最もむかない性格ですね)
そして猜疑心が強く、おまけにかなり、小心者です。

障害者に対しては、かなり厳しい意見の持ち主でした。
「あんな、みっともない姿をさらして生きているなんて、俺には信じられない。もし、俺がそうなったら、まちがいなくすぐ自殺するよ」とよく言っていました。
本当に皮肉なものです。
カツが自分の現実をうけとめられるようになるまでは、まだまだ長い時間が必要だろうと考えています。

○リハビリについて
独特の考え方ではありますが、それなりに一理あると思うところもあるのでお伝えすることにします。
ずっと基礎練や筋トレばかりで。閉口している主人のセリフ。

「ロックンロールを演奏するのに、譜面の読み方なんていらないんだよ。ただ、耳で聞いた音、その音を出せばいいの。」
「例えば、バイクの免許を取りに行った教習所で、バイクに乗るには腕力が必要です。足や腰の力も必要です。だからまず、腕立て伏せとウサギとびをやってくださいと言われたら、どうする?嫌にならない?まずは、最初にバイクの乗り方を教えるのがふつうでしょ?腕の力やなんかは、乗ってるうちに自然についてくる。何度、ころんだってかまわないんだよ。」
「例えばギターの練習をする時、ある一曲を弾こうとしているとする。最初はもちろんうまくできる所とうまくひけない所があるでしょ。それをね、できないからってできない所ばかり無理矢理練習させられるとどうなると思う?きっとその曲が嫌いになるよ。もうギターなんてひけなくってもいいやって気になる。」
「だから俺はできる所からやるんだよ。うまくできそうなところを何度もひく。そうやってると自然にできない所もひける様になるんだよ。」

どうでしょうか?私はなんだか、なるほどなあと思いましたが。

○「話す事」に関して

カツは本当は、大の話し好きです。私達を見てください。
四六時中おしゃべりをしています。
本当はもっともっといろんな人と話をしたいのです。
でも、今はまだまだ言葉が不自由。

「でも、ずい分聞き取りやすくなったと思うよ。みんなそう言ってるし。」
「それは相手によるんだよ。最初から俺の言葉はわかりにくいって思い込んでる奴には、何を言っても伝わらないんだ。」

「え?」と聞き返されるのが、たまらないそうです。
夜中におしっこをしたくなって、ナースコールのボタンで来てもらった人に
股間を指さしながら、「おしっこ」と言ったのに「え?」と聞きなおされたといってました。「指をさしているのに!」それに急ぎだったから来てもらったのに!」

もちろんたまたまだったんでしょうが、本人にはかなり辛かった様です。
「まるで言葉の通じない外国にいる気分だよ。え?え?ってばっかりで。」
「え?って聞き返すなら、最初から話しかけるなよって思うよ。」
とも言っています。

もちろん、すべての人と話したくないわけではありません。
ただ、「また、え?って聞き返されるんじゃないか?」って思ってしまって
心が内側に向いてしまっているだけなのです。

通訳の私がいないと、誰ともまともに話せないんだーって思い込んでいるだけなのです。
どうか、気長に最初は私と3人の場面からはじめて下さい。
そして、もし、カツが何かを一生懸命言い始めたら、
聞き取れたセリフの部分をくり返して言ってみてください。

〜なのね。それで?
という風に。

伝わりにくい単語を何度もくり返してゆっくり言おうとするとおこっている風な顔になりますが、それはただ懸命なだけです。
自分がおこっているのは(怒った用になるのは)伝わらない自分にイライラしているだけだといつも言っています。

耳が不自由でテレビもラジオもつまらない。手が不自由で、本も読めない。そんな主人には、おそらく、人と話をする事が、今は唯一のうっぷん晴らしでもあるはずです。

どうかご協力お願いいたします。
(たとえ、その会話の内容がくだらないシモネタであったとしても・・・・。)

でも不自然な会話よりはずっとカツらしい話題かもしれません。
あとは、誰かのウワサ話や悪口も大好きです。困った事に・・・・
無難なのは私のことかな?(なれそめとか)私が言うのも変ですが主人は私の話をするのが大好きです。
何しろ新婚ですからねー。

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