あと、もう少し


2004年2月14日

いよいよ16日、月曜日に皆様に自宅にお出で頂く事になりました。
発症から約3ヵ月半。
一般的には早い回復と言われるのかもしれませんが、私達にとってはずい分長い道のりでした。

カツが倒れ、救急車で運ばれた日の事。
一生寝たきりになるかもしれないと言われた事。
集中治療室で、手も足も動かず、耳も聞こえず、口もきけないカツに、毎日大量の手紙を書き続けた日々。
そんないろいろなことを思い出すと、本当に遠い昔の様な気がします。

このリハビリ病院に移って、はじめて主治医の先生に診ていただいた時の
「こりゃあまたずい分大変なのを引き受ける事になったなあ。」みたいな空気。
忘れもしません。(もしかしたら、今でも先生にとってはお荷物かも?)

当時のPT担当のSさんからは、
「あなたがご主人と新居で暮らす事は、はっきり言って不可能ですよ」とまで言われましたからね。

それが、ようやくここまで来る事ができました。
本当に本当に皆様方のおかげです。心よりお礼申し上げます。

これからも、まだまだ多くのハードルがある事、充分わかっています。
カツは、「やっぱりまだまだ退院は無理ですねぇ。」って言われるんじゃないかと、
今でも言ってます。

それに、家を見に来てもらっても、結局、あれが出来ない、これが難しいとか言われたり、
皆さんの前で、出来ない自分をさらけ出さなければいけない状況になるのが、
かなり辛い様子です。

「あくまでも、今の段階の能力において安全にできるかどうかと言うのが
第一なんだけど、今後、リハビリが進んで、クリアできれば大丈夫なんだよ。」
と言い聞かせてはいるのですが・・・。

それでも
「俺の能力の問題だけじゃないんだよ。サリーがチビだから。
きっと女子プロレスラーと再婚しなさいとか言われそうだよ」などと冗談なのか、本気なのか。

ただ、カツは、口が悪く、表現が下手なのでわかりにくいかとは思いますが、
退院して、家に帰れる事自体は、本当に喜んでいるのです。
(と言っても、本人は、まだ見た事もない自宅なのですが。)

(注/カツとふたりきりでもなるべく安全に生活出来る様にと、新しい家に引越しをしたのです。)

それから自分が回復したら、介護に関わる仕事がしたいとも言っていました。
経験者だからこそできる事がたくさんあるはずだって。

病棟のクリスマスパーティにも、今度は自分が歌を歌いに来たいそうです。
「僕もここに入院していました。皆さんもがんばって下さい」と言いに。

そんな会話ができる様になった事自体、奇跡の様な気がします。

全く常識はずれですっとんきょうな私達ですが、あとしばらくは、
どうか皆様、がまんしてお付き合い下さい。

よろしくお願い致します。


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